
長崎で「原爆の日」勤行法要
74回目の「長崎原爆の日」を迎えた9日、長崎平和会館で「世界平和祈願勤行法要」が厳粛に執り行われた。法要では、全ての原爆犠牲者・戦没者の冥福を祈念。恒久平和への誓いを込めて勤行・焼香を行った。
席上、中村邦子さんが登壇。被爆体験を長女・竹下光江さんの代読で発表した。
74年前の8月9日、中村さんは買い物のさなか、爆心地から約3キロ離れた場所で被爆。母と2人の兄は無事だったが、父と姉の安否が分からなかった。
翌日には、父と姉を捜しに出た兄が、全身血だらけの姉を背負って帰宅。姉の顔に突き刺さったガラスの破片を、母が泣きながら取っていた光景が、今も脳裏に焼き付いて離れないという。1週間後、姉は息を引き取り、後に父は即死だったと聞いた。
大切な家族や若者の青春を奪った原爆への怒りと憎しみを押し殺して生きてきたと語る中村さんは、「『不戦の世紀』を開こうと奮闘する学会青年部こそ、私の何よりの希望です」と話を結んだ。